2012年3月27日火曜日

スペイン・バルセロナについてのメモ 都市のデザイン偏 その1

1. グリーンウェイ

・セルダプランによって生まれた広幅員の街路網を活かした線形の公園



車交通を他の街路に集約し、道路の縮小と公園としての整備が行われていた。
線形の公園には子供の遊ぶ場所、ベンチ、視線の抜けを抑えるアート・噴水・植栽などによって単調な空間とならない工夫がなされている。



 視線が抜けすぎないように、噴水や植栽、アートによって公園を細かく分節している。






  

ウィリアム・H・ホワイトは著書「都市とオープンスペース」において、
同面積の公園を比較した場合、線形の公園の方が周辺の市街地に接する長さが大きくなる利点について言及していた。

山口、横張(敬称略)による「北米におけるグリーンウェイ計画の変遷と社会的背景」では、
グリーンウェイの機能として、以下の5点が挙げられている。
①レクリエーション利用及び健康増進の場
②洪水調整のための河川沿い緑地の保全
③生態系の保全
④歴史的・文化的遺構の保存・活用
⑤自動車道に代替する交通路

道路に多機能なグリーンウェイを組み込んでいく発想は興味深いと感じた。


参考資料
山口理枝子・横張真「北米におけるグリーンウェイ計画の変遷と社会的背景」
ウィリアム・H・ホワイト「都市とオープンスペース」鹿島研究所出版会


・海岸沿いの車道、公園、海岸のと市街地の一体感
海岸沿いの通過交通は地下化され、アクセス道のみ地上に残されている。

車道の両脇には分厚い緑地帯及び公園が整備されており、線形の緑地が設けられている。

 地下道への入り口。入口の周辺は分厚い植栽で覆われている。
 海岸に面する植栽。強い風から草木を守るデザイン。

公園には運動器具やスケートボーダーの為のスペースが設けられている。芝生のサッカー場も設けられている。運動をする人が連なりやすい仕掛け。



市街地と海岸沿いの緑地が風除林としてだけではなく、市街地との繋がりを重視した公園としてデザインされていることで海岸に人があふれる光景が生まれていた。


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