2011年10月30日日曜日

フランス・パリについてのメモ 都市のデザイン編1

パリに来て感じた問題点は以下の3つ。


・大きな市街地、分散する施設・地域

・車交通の多さ

・放射状の街路網によって生じる3角形の街区


この問題への解として以下の3つがあるように思いました。

直線の軸を強調したデザイン→離れていても視覚的な関係を作る。

立体交差する歩行者空間と車道→車による歩行動線の分断を緩和。

三角形の街区を逆に個性に3つの通りに囲まれた“○○トライアングル”。


面白く感じた都市のデザインは、いくつかの広場のデザインと、水辺のデザイン

リンク先にそれぞれの内容をまとめていますので見ていただけると幸いです彡

ではでは。

フランス・パリについてのメモ 都市のデザイン編6

水辺のデザイン

セーヌ川沿いには広場や遊歩道が設けられていました。


特徴的なデザインの橋も多く、映画の舞台になることもしばしば。
夜になるとそれぞれの橋はライトアップされ、水辺を演出する。
川辺の壁のテクスチャ。

フランス・パリについてのメモ 都市のデザイン編5

広場のデザイン

いくつかの広場では少し傾斜を持たせることで建物へ向かう方向性を感じさせる広場のデザインがなされていました。

下は傾斜を持たせることで方向性を持たせたポンピドゥーセンター前広場のデザイン。

パリ大学(ソルボンヌ大学)前の広場にも傾斜のデザイン。
 ゆるい傾斜ですが広場のテクスチャ、段差、噴水の水の流れによって傾斜が強調されています。

フランス・パリについてのメモ 都市のデザイン編4

3角形の街区を個性に 「○○トライアングル」




シャンゼリゼ通り、ジョルジュサンクス通り、モンテーニュ通りに囲まれたゴールデントライアングル(高級ショッピング街)や、ショワジー、イヴリー、マセナ通りに囲まれた中華街トライアングルなど、不整形な街区の形状を生かしたPRをしている場所もあるようです。
ゴールデントライアングルは一辺0.8kmほどの正三角形。

3角形の一辺、イヴリー通りは0.85km程。

フランス・パリについてのメモ 都市のデザイン編3

立体交差する車道と歩道

直線の道路が多いため、交通量が多く、人の流れが分断されやすい。
これを解くために車道と歩道を立体交差させていました。
地下、地上の歩行空間をどれだけ魅力的にするかが課題だと思いますが、パリにはユニークな事例がいくつかありましたのでアップします。


ルーブルに面するテュイルリー宮殿の公園の下を通過する車道。
都市内の大規模公園と車交通の交錯・共存。

凱旋門は大きな車道に完全に囲まれているのでアクセスするには地下を通る必要があります。地下のデザインはこんな感じ。


テュイルリー宮殿とオルセー美術館をつなぐ、ソルフェリーノ橋。
交差する2つの橋が、さりげなく歩行者を地下歩道へ誘導するデザイン。

 アーチの曲線が下へ導く。

車道、鉄道、自転車道(半ば歩道)が並行するデザイン。ビルアケム橋。
映画「インセプション」の撮影にも使われた場所のようです。
 鉄の構造が美しい。
高架の上が電車、その下が歩行者・自転車、その脇を車が走る。


「Promenade Plantee プロムナード・プランテ」では高架跡地を生かした、広場、車道、歩道が交錯するデザインがなされています。
 高架下にはギャラリーやショップが並ぶ。

高架上の遊歩道。道の膨らみや植栽によって直線的な印象を薄めているように感じました。

フランス・パリについてのメモ 都市のデザイン編2

直線の軸を強調したデザイン

図のようにパリ市全域に大きな施設や公園が広がっています。

しかし、歩いて行ける距離ではない施設同士も軸線を強調したデザインによって関係付けられているように感じました。たとえばルーブル→凱旋門→ラデファンスの軸。
街路樹、街路の傾斜、軸を受けるデザインがなされています。

 凱旋門からの軸上にあるラ・デファンス地区。新凱旋門のデザインによって軸との関係を強調しているように見えます。

軸を生かしたデザインは小さなものも含めて街のあちこちにあります。

公園内の街路樹はグリッド上に配置され、パースの効果が強調されています。

セーヌ川の小さな中州を直線の公園として利用した変わり種。Allee des Cygnes。
0.9km程の遊歩道は、2つの橋と1つの鉄道橋をまたぎます。



上の公園の中。単純な直線ではなく、縦方向の傾斜をいくつも設けつつ、橋の交差部によって視線の区切りをつけることで変化をつけていました。(奥は見通せない)
公園の先端には自由の女神・ミニチュア版が立っています。これも一工夫してあって、すぐ前の橋と被らないように土台部分が大変高く作られていました。

2011年10月22日土曜日

フランス・パリについてのメモ 都市構造編

都市構造について

都市の変遷編にて大まかな流れをメモしたので今回は緑地、道路・鉄道のネットワークといった都市構造についてメモしてみます。

パリ市は20の行政区からなります。(wikipediaより)


・緑地

緑地に注目してみると、都市の周縁を囲むように緑地が広がっています(以下の図は作成)。

西の大きな公園はブローニュの森、東がヴァンセンヌの森。北側にはベルナール・チュミによるラヴィレット公園、南側にはシトロエン公園やコルビュジエの建築を含む国際大学都市などがあります。

・河川・橋

市内を貫くセーヌ川には特徴的な橋(図の赤い部分)が多く、映画やドラマで見たことのある風景に出くわすことが多いです。

セーヌ川の中州・シテ島を核として市街地ができていったというのもユニーク彡


・街路網

オースマンの都市改造によってできた直線、広幅員、放射状の街路網は一目瞭然。場所によっては都市改造が及んでいない場所もあり複雑な街路網も見て取れます。




・公共施設、文教施設

有名な建築や施設は広い緑地とセットで設計されていることが多いように見えます。



・鉄道の空間

紫色で示したものが市内における鉄道(LEL)の主要駅、地下化されていない路線部分。
古い市門に変えて鉄道の駅を建設したという記述を見つけたので、赤色で示した2つの城壁跡地と重ねてみました彡
市内の路線網はほぼ地下化されているようです。



・パリ改造の位置

無秩序に広がっていった市街地は採光、通風が悪く、インフラも十分でなかった為環境の悪さが問題になっていたようです。また、人目の通りにくい複雑な市街地は反政府勢力にとって都合のいい場所となっており、改善する必要があったとのこと。。

これを受けて、1852年にパリ知事に就任したオースマンは都市改造に着手。下に示す図(from wikipedia)18521927年にかけて作られた街路を図式化したものなので、彼が職を辞したのちも都市改造は続いたということでしょうか。

街路を整備した場合、その波及効果が隣接する街区一つ分(街路から50Mと仮定)にまで波及すると仮定すると市街地のかなりの範囲に影響が及んだと考えられます。



・古い街路

オースマンは市街地をすべてクリアにしたのではなく、図のように主要な点と線を整備したので、今でも古い路地が残る地区があります。

古い路地の特徴としてその道路断面の形。
道路断面がV字型になっており、雨水は中央に集まったのち排水されます。昔は両脇の建物からごみや汚物が道路に捨てられ、道路にたまるという状況であったようです。



フランス・パリについてのメモ 都市の変遷編

先日滞在したパリについて少しまとめてみました。
情報のソースはwikipediaがメインなので、あくまでも個人的なメモ程度です。


フランスの歴史(wiki等を参考にした個人的なメモ)


紀元前250年ごろParisiiと呼ばれる種族が現在のシテ島に集落を築く。361~363年にローマ帝国の支配下にはいったのち、パリと改名された。

・立地段階 (地勢・資源)
セーヌ川の中州に位置する場所に集落ができる。河川の航行や交易上の拠点として戦略的な位置を占める。



・成長段階(構造・営み)
34世紀は戦乱が絶えず、城壁が建設された。川に囲まれていた市街地が川の外側に広がっていき、それを囲むように新たな城壁が建設されていく。この時期から大規模な公共事業が行われるようになる。
カペー朝時代(11世紀前後)には王国の首都、学術の拠点、信仰の拠点として重要性を増していく。




・競争段階(位相・多様性)
1830年前後には産業革命により多くの人口が流入する。新たに建設された鉄道が人口増加を後押しする。




・成熟段階
1853年にパリ知事として任命されたオースマンは、パリ改造に着手。
旧市街地を壊したのち、直線的な大通り(ブールバール)や放射状に広がる大通りのネットワークに置き換えた。





古地図を図並べてみると街が拡大していく様子がわかります
城壁を作ってもその外側に市街地が広がり、それを取り込む形でさらに大きな城壁を作るという流れ。大砲などの重火器の発達に伴い市街地のより外側に城壁を作る必要が生じたという要因も考えられます。

2011年10月21日金曜日

パリ旅行彡

とりあえず写真をアップ彡

文章は後程頑張ります!

 モンマルトルのサクレ・クール聖堂
 廃線なった高架橋を利用した店舗。上には公園が整備されてる。
 ノートルダム大聖堂
 有名なやつ。
上下が交差する橋。
 凱旋門の前は人がいっぱい。凱旋門の上に上ると、ラデファンス地区が見える。(下)

 サヴォア邸。

 ポンピドゥーセンターの上からの眺め。
 市内の歩行者専用道路。
 パサージュ。
 パリの夜景。

日帰りでモンサンミッシェルにも行きました。


島の中の広場。
 モンサンミッシェルの干潟。
 エッフェル塔。
 からの眺め。
 セーヌ川には個性的な橋が並ぶ。川の中央にある島は公園として整備されえてる(下)






 自転車道(半ば歩道)、車道、電車の高架が組み合わさったデザイン。

 パリ大学の一つ。
 ザハ・ハディドの移動美術館に遭遇。

 パサージュのおまけ。パリにはたくさんパサージュがあるけど、きれいに装飾されているものから少しごみごみしたものまで多彩。






オースマンのパリ改造の影響を受けていない古い路地。道路断面が変わってる。