2012年5月4日金曜日

イギリス・ロンドンについてのメモ 都市のデザイン編 その1


テムズ川沿いの再整備系

・港湾ブラウンフィールドの再生 ドックランズ再開発

1. ドックランズの概要

ロンドン・ドックランズはテムズ川に沿って発展した東西11.2km、面積22k㎡の地区。

ロンドンは古代ローマ帝国の植民都市として約2千年前に成立して以来、海外との通商により、その地位を確保してきた。
1960年代をピークに、商船の大型化やコンテナ化、航空機輸送の増大などにより、港湾としての機能を十分に果たせなくなり、その規模を縮小していく。

衰退したドックランズの再開発の為、ロンドンドックランド開発公社(LDDC)が、1981720日に設立された。

LDDCによる物理的な再生内容としては、
海水減退固定値600haの埋め立て、 58マイル(93km)に及ぶ道路の建設・改修、ドックランズ・ライト・レイルウェイ(DLR)、バス路線、ロンドン・シティ空港からなる公共輸送網の新設等がある。

ドックランズは大きく、
① Wapping and Limehouse,
② Surrey Quays and Rotherhithe,
③ Isle of Dogs,
④ Royal Docks
4つに分けることができる。

Royal Docksには1981年にロンドン・シティ空港を建設する計画が立てられ、1985年に着工された。

Isle of Dogsには1982年4月から10年間の期限付きでエンタープライズゾーンが設けられていた。
同ゾーンでは税制上の優遇措置がとられ、行政手続きの簡素化も図られており、現在では超高層ビルが立ち並ぶビジネス街及び地下ショッピングモールが建設されている。



2. ドックランズ・Isle of Dogsの歩行空間
掘り込み式港湾跡の周りには遊歩道や歩道橋が設けられ、人の流れが生じやすい工夫がみられる。水上バイクを楽しむグループも見かけた。
地区内には公園が多数整備されている。
 

公園にはさり気なく地下ショッピングモールへの入り口が設けられている。
地下にはトップライトにより明るい空間が広がる。
 

3. アクセシビリティの改善 DLR(ドックランズ・ライト・レイルウェイ)
再開発に伴い、1987年からDLRが運行されている。


下図を見ると、地下鉄はシティ・オブ・ロンドン周辺及び西側に偏っているのに対して、DLRはドックランズを軸にして東側を重点的に整備されていることがわかる。
近年再開発が進むドックランズ、対岸のグリニッチ周辺、オリンピック会場周辺を結んでいる。

 

主に高架、地下を走行する。Canary Whalf駅周辺では高層ビルの間を車両が走る。


参考資料
Transport for London HP
LDDC Monograph HP


・ランドマークが集積する川沿い
ウエストミンスター寺院、ロンドンアイ、テートモダン、シティオフィス、ゲートブリッジ、O2アリーナ等の新旧のランドマークを繋ぐように遊歩道を整備している

 
テートモダンと対岸のセントポール寺院を結ぶように歩道橋及び歩行者専用道路が設けられている。

レンゾピアノ設計の超高層ビルの建設も進む。

シティオフィス、ゲートブリッジ、その先にも歩行者空間は続く。
 
ゲートブリッジの先の遊歩道。建物の間には橋が架けられ、住人の庭のように使われていた。


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