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2012年7月12日木曜日

スウェーデン・ストックホルムについてのメモ 都市のデザイン編 目次

ストックホルムの都市のデザインについて、以下の7つの視点からメモしました。







スウェーデン・ストックホルムについてのメモ ハンマビーショーシュタッド 概要編


1.ブラウンフィールドの再開発 ハマンビーショーシュタッド 概要編



面積:            200ha
計画住戸:         9000
計画人口:         20000
着工:            1999
完成予定:         2017
中心市街地からの距離: 3km



・概要

ハンマビーショーシュタッドのコンセプトは1990年代に生まれた。

当初はハンマビー湖の北側を開発する計画であったが、工業跡地の広がる湖南部を含む総合的な計画へと発展した。

また、ストックホルム市の2004年オリンピック招致が当地区への投資及びインフラ整備に拍車をかけ、ハンマビーショーシュタッドの一部はオリンピック村として計画されることになった。


オリンピック招致に際して市は“ecology and environmental sustainability (生態系及び環境の持続性)”をコンセプトとして掲げており、ハンマビーショーシュタッドの開発に当たってはこの点が重視された。

オリンピック招致には失敗したが、当初のコンセプトを保ったまま開発は継続された。




・プロジェクトチーム
市当局は12つに分けられたハンマビーショーシュタッドの各地区において、開発に関わる団体を指名する責任を負う。建築家・ディベロッパーからなる個々の団体がそれぞれの計画を推進した。

主要なディベロッパー
Skanska, Family Housing, Swedish Housing, HSB, SKB and Borätt etc..

主要建築家
White Architects, Nyréns Architect Firm, Equator and Erséus etc..



・Master plan の作成

ストックホルム市都市計画局の建築家Jan Inghe-Hagströmがハンマビーショーシュタッドのマスタープラン作成を主導した。

ハンマビーショーシュタッドは12個の地区に区分され、いくつかのフェーズに分けて建設されていった。


区分された各地区の詳細なマスタープラン作成に際しては“parallel sketches”と呼ばれる方法が採用された。

これは、市当局が34組の建築家・都市計画家を選び、より詳細な地区デザインの提案を受けた後、
それぞれの長所を組み合わせながら地区規模のマスタープランを作成するというもの。

その後、各地区でのデザインコードが作成された。




参考URL

Jan Inghe-Hagström  White Architects, Nyréns Architect Firm, Equator and Erséus

スウェーデン・ストックホルムについてのメモ ハンマビーショーシュタッド 地区のデザイン編

・公共交通の整備 
開発に伴い地区内にはLRTが新設されている。
気になった点は駅周辺のデザイン。

Stockholm Sickla Kaj駅周辺はルーバー状の屋根が架けられたシンプルなものだが(下写真右)、
Stockholm Luma駅周辺では公園が整備されていた(下写真中央、パノラマ)。

駅周辺に業務、商業、公共サービス、住居機能を集約させるTOD(Transit Oriented Development)が盛んに議論される中、人が集まる駅周辺に自由に使える広場を作るというアイディアが新鮮に感じられた。
 

・親水空間のクウォリティ
ハンマビー湖に面していない場所にも人口の運河を設けることで親水広場を設けている。
水辺は潜在的な危険性をもつが、住棟を近接させることで常に人の目が届く環境を作っている点は興味深く感じた。

また、細長い水辺の空間を植栽、橋、フォリーによって適度に分節することで程よい囲み感を持つ広場がデザインされていた。
 
 

・湖畔沿いの遊歩道
ハンマビー湖に面してデッキの遊歩道が整備されている。カフェ、係留所等、人の溜りが生まれる空間がところどころ見られる。
 
 
デッキは所々屈折、分岐しており、遊歩道の楽しさを演出している。場所によっては湖にせり出すように遊歩道とフォリーが設けられている場所も見られた。
 水上のフォリー。



 

水辺の植生がデッキ広場に挿入されている。

 


・公園を繋ぐ緑の橋
ハンマビーショーシュタッドの南端には広幅員の車道が整備され、その先にはhammarbybackenと呼ばれる丘状の緑地が広がる。
冬季はスキー場として親しまれているが、夏季は公園、自転車のダウンヒルコースとして使われている。

車道によって分断されたハンマビーショーシュタッドの緑地とhammarbybacken の緑地を繋ぐべく、公園のような陸橋がデザインされていた。

下はハンマビーショーシュタッドの公園とhammarbybackenの写真
 


陸橋の上では盛土や植栽によって車道への視線の抜けが抑えられていた。

・“浸み込む”緑地
上記した通り、地区内には様々な公園緑地が整備補選ざれているが、それらに接する住棟の間にも緑地が“浸み込む”ように広がっていた。


住棟の間に公園のような道を整備されていることで、地区の外部空間の魅力がより高まっているように感じた。
 
 

・橋のデザイン
地区内にはトラムの路線、車道が集約する道路・橋が設けられている。
このような広幅員の橋は河川沿いの遊歩道・緑地のネットワークを分断する要素になりうるが、ここでは橋のテクスチャ、橋の下の採光、構造物を軽く薄く見せるエッジのデザインによりその問題を軽減していた。
 

スウェーデン・ストックホルムについてのメモ ハンマビーショーシュタッド 概要編
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