デュッセルドルフで気が付いた都市のデザインについて、以下の7つの視点からメモしました。
2012年4月4日水曜日
ドイツ・デュッセルドルフについてのメモ 都市のデザイン編 その1
1. ケーニッヒアレーのデザイン
ケーニッヒアレーは幅75m程の直線の通りで、両脇の車道に挟まれるような形で幅20m、長さ600mほどの直線形の池が設けられている。
1811年ナポレオンが建築家アドルフ・バゲデス(Adolph von Vagedes)を任命した通りだという。
池と街路樹によって通りの落ち着いた雰囲気を演出している。
水はポンプによって循環しているようで、驚くほど澄んでいた。
ドイツ・デュッセルドルフについてのメモ 都市のデザイン編 その2
2. 水辺を持つ公園のデザイン
ホーフガルテンは旧市街地の北側に位置する公園である。古地図と現在の地図を重ねると、この公園が塁堡跡の幅広の敷地に設けられたものであることがわかる。
ホーフガルテンにも池が設けられているが、とにかく野鳥が多い。
水辺がない公園と比べるとその違いに驚く。
ケーニッヒアレーと比べて池が整形でないからかもしれないが、場所によっては淀みが生じている。池を設ける際の課題だと思う。
ドイツ・デュッセルドルフについてのメモ 都市のデザイン編 その3
3. インフラストラクチャの造形
デュッセルドルフの中心市街地には車道の高架やライン川にかかる大橋などの大掛かりなインフラストラクチャがあるが、各々は極力薄く、細く、なめらかにデザインされている。
道路の高架といった構造物は時に暴力的で無神経に街の中に現れることがあるが、
デュッセルドルフでは周囲のスケールと違い過ぎない構造物の薄さ、軽さが意識されていたように感じた。
ドイツ・デュッセルドルフについてのメモ 都市のデザイン編 その4
4. 車道の地下化に伴う広場と歩行空間のデザイン
近年、港や河川沿いの空間を、人間主体の都市空間として再生する事例がみられる(バルセロナ、マドリード)。
デュッセルドルフのライン川沿いに整備された公園も、広幅員の車道を地下化して地上を人の空間として再生した事例として有名。
計画のキッカケは機能の無くなっていた港の埋立地に州議事堂が建設されたことだという。
当時議事堂の建設地は河川沿いの道路によって市街地から孤立していたため、道路の地下化による両者の接続が行われ、同時に河畔の様々な計画が行われた。
デュッセルドルフのライン川沿いに整備された公園も、広幅員の車道を地下化して地上を人の空間として再生した事例として有名。
計画のキッカケは機能の無くなっていた港の埋立地に州議事堂が建設されたことだという。
当時議事堂の建設地は河川沿いの道路によって市街地から孤立していたため、道路の地下化による両者の接続が行われ、同時に河畔の様々な計画が行われた。
北側の地下道の入り口はスロープ状に下っており、車道が広場から見えないようにするための壁が設けられている。
地下道の屋根にあたる公園の地盤面を傾斜させることで車道に対する広場からの視線をさり気なく逸らしている。
地下道の南端側の入り口上部にはシュタッドゲート(街の門)と呼ばれるガラス張りの建築が設けられている。
名前の通り、その地下は車道の入り口であるし、その後ろに整備されているメディアンハーフェンや新しい街並みへの入り口でもあり、そのボリュームも門を連想させるヴォイド空間を有している。
建物の裏側には地下道に通じる広幅員の車道があるが、広場側から見ると地下道の存在を感じることはない(写真下は建物裏の地下道への入り口)。
ドイツ・デュッセルドルフについてのメモ 都市のデザイン編 その5
5. メディアンハーフェン 港湾沿いのビビットな景観
ライン川沿い遊歩道の先、テレビ塔周辺の再開発地区には奇抜な景観が形成されている(した写真はテレビ塔から南方向を撮影)。
フランクゲーリーによる波打つ建築、不整形な平面を持つガラス張りのシュタッドゲート(街の門)、カラフルなファサードを持つ高層建築、壁面にキャラクターのオブジェが張り付けられたもの、円弧をモチーフとした州議事堂等その表情は多彩。
ここでは整ったスカイラインや壁面のデザインの統一という良い景観の方程式とはことなる手法がとられているようだった。
この点で友人と議論。
壁面、スカイランの統一などは調和のとれた景観をつくる手法としてよく上がるものだが、それを統一したからと言って“いい景観”が作れるのかということ。
私はその場所に会った目標を定めたうえで、目標に合った手法を各々採るべきで、
“いい景観”かどうかは、その目標を達成しうる環境をつくれているかどうかではないかと主張してみた。
そういう意味では、衰退した港湾機能を見直し、情報を精力的に発信していくというメディアンハーフェン(情報の港)の目標と、奇抜な建築物が織成す景観はマッチしたものなのかもしれないと言ってみたが、結構意見が分かれそうな気もする。
ドイツ・デュッセルドルフについてのメモ 都市のデザイン編 その6
6. 街の記憶を取り戻すデザイン
河畔沿いの道路埋設に伴い、地下道から直接進入できる地下駐車場を計画したがその場所に旧港跡が見つかる。
歴史的記念物保護法により、旧港が再現され、その下に地下駐車場が作られたという。
水の循環が不十分でごみが溜まってしまう問題を抱えているが、街の記憶を見える形で再生しようという案が素直に受け入れられることに感銘を受ける。
都市の歴史を感じることができる空間は、市民のシビックプライドを高めるうえでも重要だと思うから。
参考資料
水島信著 「ドイツ流街づくり読本 ドイツの都市計画から日本の街づくりへ」 鹿島出版会
ドイツ・デュッセルドルフについてのメモ 都市のデザイン編 その7 へ
ドイツ・デュッセルドルフについてのメモ 都市のデザイン編 その7
7. 街の将来像を共有する努力 アーバンデザインの情報共有センター
デュッセルドルフでは2012.2月の時点では地下鉄ネットワークの延長に伴い、中心市街地で大規模な工事が進行中であった。
工事後の街の将来像を共有するために、工事現場の近くにガラス張りのインフォメーションセンターが設けられており、中では工事の概要や計画のコンセプト、将来像のイメージなどが豊富な資料と共に紹介されていた。
中でも、工事終了後のイメージを3Dイメージで再現した動画のクウォリティは高く、街の将来像を伝えようとする意識の高さを感じた。
ドイツ・デュッセルドルフについてのメモ 都市のデザイン編 目次 へ
ドイツ・デュッセルドルフについてのメモ 都市の構造編 へ
ドイツ・デュッセルドルフについてのメモ 都市の構造編
・概要
都市 city:デュッセルドルフ
州 state:ノルトライン・ヴェストファーレン州
国 country:ドイツ連邦共和国
人口 population:588169(2010.12.31)
面積 area:217.22k㎡
失業者数/失業率 unemployment rate :28619 / 4.9%(2010.05.31)
ノルトライン・ヴェストファーレン州州都。ルール工業地帯に隣接する。
参考資料
デュッセルドルフ市HP
・地形
北東に起伏があるが、旧市街地周辺では目立った起伏は見られない。
・水系
オレンジ色の範囲は昔城壁に囲まれていた範囲を大まかに示したもの。
ライン川が旧市街地の西側を流れている。また、港湾機能を支える複数の運河がライン川沿いに設けられている。
・緑地
旧市街地内には運河や池を有する緑地が多数整備されている。
・街路網
デュッセルドルフは街の北側、聖ランベルト教会(St. Lambert)周辺にできた街を起源にしており、
聖ランベルト教会周辺は複雑な町割りが残る。街の南側は19世紀以降に整備された街路網で、整形の街割となっている。
街のメインストリートはケーニッヒアレーとシャドウ通り。
・路線網
Sバーン(下図左)、トラム(下図右)、Uバーン(省略)を有する。2012.2月の時点では、中心市街地においてUバーンのネットワークの増築を行っていた。
登録:
投稿 (Atom)