2012年7月16日月曜日

フィンランド・ヘルシンキについてのメモ 都市の構造編

・概要
都市:      ヘルシンキ Helsinki (首都、県都)
国:        フィンランド Finland
県:        ウーシマー県
人口:               595,384 (1.1.2012)
人口(都市圏):  1,366,241 (1.1.2012)
面積:               716k㎡ (sea: 503, land: 213)
面積(都市圏):  5518k㎡ (sea: 1677, land: 3841)

参考資料
ヘルシンキ市HP 2012年度統計資料

・地形
岩盤が隆起した地形が至る所に見られる。市域の大半が海面で占められており、小さな島も多い。

・古地図
フィンランドは長らくスウェーデンに支配されていたが、1809年にロシア支配に代わるとともに、1812年首都がトゥルクからヘルシンキに移された。

首都が移転する前は、ヘルシンキの起源は現在の都心部よりも北寄りのヴァンハカウプンキ地区(Vanhakaupunki)に位置する小さな町であったが、1748年にスオメンリンナ要塞(Fortress of Suomenlinna)が築かれ、軍事拠点として成長した。

遷都直前の1808年に大火に見舞われ、市域の2/3が焼失したが、
その後ドイツ人建築家カール・ルートヴィッヒ・エンゲル擁する新首都建設委員会がグリッド状の街路網を持つ都市計画案を作成。
上の図は1815年に作成された計画案(wikipedia)で、現在の都市構造の土台となった直行街路網が見られる。

エンゲルは同様に、チーフアーキテクトとしてトゥルク(旧首都)、タンペレ、ハメーンリンナ、ポルボー、ピエタルサーリ、ユバスキュラ、ミッケリ、ソルタバラの計画に関わった。中でも火災により焼失したトゥルクの再建計画は後にフィンランドの都市計画に大きな影響を与えたという。


参考資料
山田真梨, 北尾靖雅「伝統的なフィンランドの都市形成手法に関する研究 -近代都市計画におけるグリッド型の都市構成手法-」
田崎祐生「ヘルシンキ:都市の構成とデザイン・ディストリクト Helsinki: urban structure and its Design District」
Helsinki 200
ヘルシンキ市HP



・水系
バルト海に面する。市域の7割を水面が占める。
1815年の計画図と比べると、埋め立てにより都市が拡大したことが伺える。

・緑地
市内に点在する岩盤が隆起した場所を公園として整備している。
主要なものとしては、市の南側に位置するKaivopuisto等。
また市の南側には水辺に沿って墓地公園が整備されている。

・街路網
グリッド状の街路網を基調とするが、ところどころ曲線の街路網を持つ地区も見られる。

・路線網
左から鉄道、地下鉄、トラムの路線図。
 
鉄道は終着駅型の駅舎で、中心市街地に杭を打つような形状。トラムの路線網が密に整備されている。

・歩行者専用道路
 上は歩行空間を赤く示した図。下の図を見ると公共交通によるアクセシビリティが高い場所に歩行者空間やトランジットモールが整備されていることが分かる。

0 件のコメント:

コメントを投稿