ドイツ・ニュルンベルク 都市のデザイン偏第2回は、歩行者専用道路について彡
都市の構造編でも述べましたがニュルンベルクには複数の歩行者専用道路が密に整備されています。
今回は各通りのコンセプトの違いとデザインの特徴をメモしてみます。
・軸と枝
都市の構造偏でも述べましたが、駅と主要な施設間を直線で結ぶ縦軸(ケーニッヒ通り)と、多様な歩行空間を提供する枝(カイザー通り、カロリーネン通り、ブライテガッセ通り)があります。位置関係は下図の通り。
では、それぞれの通りのディティールについて。
ケーニッヒ通り(Königstr.) 軸の枠割
ニュルンベルク中央駅から中央広場、カイザーブルクといった主要施設をつなぐ縦軸の役割を担っています。
一部は車交通と共存していますが、ゆるくカーブした道路と道路沿いの植栽、広い歩道と横枝分かれして伸びるペデストリアンストリートによって“車の為の道路”という印象は薄く感じます。途中から完全に歩行者専用道路にシフト。ランドマークである教会が通りの視線を受け止める役割を果たしています。
ケーニッヒ通りから派生する歩行者道路群
カロリーネン通り(Karolinenstr.) 通りの大部分から教会を望める好立地。
壁面の色も同系色で石の素材が落ち着いた雰囲気を作っているように感じます。
ブライテガッセ通り(Gasse)
若者向きのお店が多く、伝統的な通りという印象はありません。壁面の素材、看板の様子など、明らかにカロリーネン通りとは違います。
道路のテクスチャも比較的モダンなものが利用されています。カイザー通り(Kaiserstr)
カロリーネン通りとは歩行者道路でつながっているように見えますが、実際には車交通によって分断されています。
しかし、Ludwigspl.からの視覚的な繋がりによってネットワークされているように見えます。
通りの形態にも特徴があります。川に向かって下り坂になっており、ゆるく曲がる街路と起伏が街路に個性を与えています。
Ludwigspl.
3つの歩行者道路が集約する通り。角地のデザインと相まって特徴的な景観を作っています。
余談ですがこれら3つの通りは1250-1300年に建造された第3(4?)市壁内部の街路網で、旧市街地の中でもより古い部類の通りです。昔の都市構造が現在の特徴的な歩行ネットワークに貢献している点は興味深いと思いました。
歩行者専用道路のディティールについて気づいたことを少しだけ。
歩行者専用道路と車交通が交差する部分のデザインに注目してみました。
写真の通り、車道と歩道の間にはあまり大きな段差を設けず、歩行空間が強く切断するのを避けています。また、車道のテクスチャも歩道と同系色のタイルと凹凸のある石畳の組み合わせで構成されています。
また、歩行者専用道路の入り口には駐輪スペースが整備されています。
自転車利用者の多い日本で歩行者専用道路を考える場合は駐輪スペースの配置、意匠の計画も大事になるのではないでしょうか。
次は、街中のアートについてメモしてみます彡
「ドイツ・ニュルンベルクについてのメモ 都市のデザイン偏 その3」
「ドイツ・ニュルンベルクについてのメモ 都市のデザイン偏 その3」
0 件のコメント:
コメントを投稿