2011年12月29日木曜日

ドイツ・シュトゥットガルトについてのメモ 都市の構造編

先日訪問したシュトゥットガルトについてまとめてみました彡

まずは都市の構造から。


・概要
ドイツ・バーデン=ヴュルテンベルク州・州都
口:573 046(201111) StuttgartHPより
市域面積:20.735 ha
産業:自動車産業が盛ん(ポルシェ、ベンツ、ダイムラー等)
河川:ネッガー川


・地形・水系

シュトゥットガルトは周囲を山地に囲まれた地形が特徴的です。
市の東側にはネッガー川が流れていますが市街地の内部に運河はなく、複数の池が河川と市街地の間に設置されています。(図はgoogle earth より作成)


・路線
市内には地下鉄、Sバーン、ドイツ鉄道が走ります。
ドイツ鉄道の路線は以下の通り。

Sバーンが中心市街地の地下を通過するのはミュンヘンと同じ。

地下鉄のネットワークは以下の通り。

シュトゥットガルト中央駅は街の北端に位置します。



・緑地


旧市街地はネッガー川から3km程の距離がありますが、ドイツ鉄道の路線に沿った線形の公園が河川と市街地を繋ぐように設計されています。
これは1928年にヘルマン・マッテルン教授によって提案された、「U字型グリーンネットワーク構想」の一部のようです。

野鳥や昆虫の生態系は水系に沿って広がるといわれていますが、水系と市街地を線形の公園によってつなげることで、市街地の中でも豊かな生態系がはぐくまれる環境が作られているのではないでしょうか。

また、車交通によって汚染された空気を盆地から流れる風によって効率的に浄化する「風の道」計画も実施されています。山と海に囲まれた福岡の地形では、この計画に学ぶところは多いのではないでしょうか。

現在はドイツ鉄道の路線を一部地下化し、地上部に新たな緑地、住宅棟を建設する大規模なプロジェクトが計画中とのことでした。


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事例1:シュトゥットガルト市「中央駅北地区新都心形成事業(シュトゥットガルト21)

景観デザインを目指せ「シュトゥットガルトのグリーンU
  


・街路網


斜面をはうように市街地が広がっている部分もあるため、曲がりくねった道路網が多くなっています。
バーデン=ヴュルテンベルク州の州都ということもあり交通量も多い印象。駅から延びる地下街、メインストリートであるケーニッヒ通りの下を潜る車道など、立体的に交差する街路網のデザインに特徴がありました。


・歩行者専用道路

自動車産業の街ですが、中心市街地では多くの歩行者専用道路が設けられています。

シュトゥットガルトの目ぬき通りであるケーニッヒ通り、
ケーニッヒ通りに並行するクローンプリンツ通り、カルヴァー通り、
旧市街地の面影を残す通りなど様々な歩行者専用道路が設けられています。
(詳細は都市のデザイン偏を参照)




・城壁・運河の跡

現在の地図からは城壁跡の名残が見えにくくなっています。
当時はネッガー川に繋がる運河を持っていたようですが現在ではその面影はありません。
第二次大戦中には大きな被害を受け、その後復興したようですが、現在の比較的モダンな建物が多い街並みを見ると、古い街並みを再建するのではなく、新しい建物に寛容な態度をとったように思われます。

『中世都市 ホースト・ドラクロワ(1983) 井上書院』、
『城郭に囲まれた都市 ホースト・ドラクロワ(1983)井上書院』






次項ではシュトゥットガルトの都市のデザインについてメモします彡


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