2011年12月29日木曜日

ドイツ・シュトゥットガルトについてのメモ 都市のデザイン編 その1



シュトゥットガルトにおける都市のデザイン・その1は、立体交差する歩行者空間と車交通について。

特にヨーロッパ最大級の歩行者専用道路の長さを誇るケーニッヒ通りに注目し、これに直行する車交通の処理の方法を見てみました彡


ケーニッヒ通りのように長大な歩行者専用道を作る場合、その通りに直行する車交通をどう処理するかという点が課題となると思います。

シュトゥットガルトでは、
1.地下街を利用した歩行者空間と車道の立体交差(地上部は車道…中央駅周辺)
2.車道の地下化による歩行者空間との立体交差(地上部は歩行者天国…ケーニッヒ通りcube周辺)
3.バスのトランジットモールによる歩行者と車の共存(地上部は車道と歩道…ケーニッヒ通りの南端)
が行われていました。


1. 地下街を利用した歩行者空間と車道の立体交差 (中央駅周辺)


左図の北側にある駅前の地下街についです。

駅前の車道は広幅員の車道となっており、その下には地下街が広がっています。






下の写真は地上部の駅前道路。 



地下街からケーニッヒ通りに繋がる部分、路線に沿った公園に繋がる部分のデザインは視覚的な連続性が重視されているように感じました。

トップライトによる明るい地下空間、ゆるい勾配の階段により通りとの連続性が確保されています。


公園に繋がる部分は、公園の地形を地下街に同レベルまで下げ、連続するように設計することで、“公園に上る”というよりかは、“公園に入る”という印象を与えるデザインがなされていました。


2. 車道の地下化による歩行者空間との立体交差 (ケーニッヒ通りcube周辺)

車道が地下化されており、地上部には広場のような歩行者空間が計画されています。上の写真は地下化された車道の上部。
左の図の2番目の部分です。


下は地下道への入り口の一つ(東側の入口)。以前パリにおける都市のデザインでもルーブルに面するテュイルリー宮殿の公園において同様の地下道が設計されていましたが、このような空間は人が使う空間としては何とも使いにくい場所になっているなと感じていました。

しかし、このトンネルの反対側、シュロス通りの地下道への入口(西側の入口)ではうまいデザインがなされているように感じました。下の画像がそれ。
ここではトンネルの入口上部に建物が建設され、その横には広場と歩道、パブリックアートが設置されています。これにより、車道入口を隠しつつ、地上部分に建物を建設することで有効に利用しています。

歩道と車道との間には高低差によって分けられていました。


また建物にゲートのような場所を設けることで、歩道・広場からは美術館(cube)への視覚的な繋がりが確保されていました。



3. バスのトランジットモールによる歩行者と車の共存 (ケーニッヒ通りの南端)

ケーニッヒ通りの南端に位置する部分(左図の3)はバスによるトランジットモールが設けられています。






歩道のテクスチャを車道まで延長し、車道が広場の一部のように設計されていました。


地上部にはバス停のほかに地下鉄の入り口が設けられています。まれにタクシー等の車が通過しますがスピードは遅く、歩行者優先の空間がデザインされています。




都市のデザイン・その2、  立体交差する緑地と車交通はこちら彡

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