2011年12月11日日曜日

ドイツ・ネルトリンゲンについてのメモ 都市のデザイン偏

都市の構造編で述べたとおり、歴史、形態的に特徴的なネルトリンゲン彡
特徴的なデザインもありましたが、同時に多くの課題を感じました。



・駅と中心市街地の接続

ネルトリンゲンのように、街の中心部に公共交通の駅を持たない街は、どのように駅と市街地を繋ぐアプローチをデザインするかが重要だと思います。

最寄りの城門はライムリンガー門、ダイニンガー門の2つ。

ライムリンガー門につながる道路は典型的な都市計画道路といった趣で、市内と外部をつなぐ車交通の軸となっているように見えました(写真下はライムリンガー門から外側に伸びる直線の道路)。


そうなるとダイニンガー門からのアクセスが歩行者にとって重要なアクセスになると思いますが、この道が歩行者にとって歩きやすい道としてデザインされておらず、課題だと感じました。

写真下はダイニンガ-門を外側から撮影したもの。城門、教会と、景観的には都市の構造が大変わかりやすいですが狭い門の大半が車道として利用されていることがわかります。

門をくぐった後も細い歩道が続く。


小さな町だし塁堡跡地もあるのだから、フリンジパーキングを徹底して一つ車交通のない城門を作ればいいのに。。できない事情があるのかもしれないけど。


・中心市街地に流入する車交通
先ほど述べたとおり、車が中心市街地に入ることができる構造になっています。
これまで訪問した都市ではあまりなかったことですが、教会裏の広場も駐車場として利用しています。


・歩行者空間のデザイン
穀物市場横の歩行者専用道路は、広幅員ではありませんが両脇の建物高さが低い分、狭さは感じません。クリスマスシーズンということもあり多くの人でにぎわいます。

教会へつながるシュライネン通り。教会の一部が通りの視線を受けとめる構図。

車交通との境界はこんな感じ彡


道路の段差やテクスチャの変化で車道と歩行者専用道路を分けているほかの都市の事例と比べると工夫が少ないように感じます。


マルクト広場は広場というか教会に向かってすり鉢状に広くなった道といった印象。


この日はちょうど市場が開かれており、様々なテントが並びます。
道の形態がすり鉢状になっているため、奥に向かう遠近感が強調されているように感じます(写真下)。


・水辺空間

旧市街地の南側には運河がありますが存在感は薄く感じます。

必ずしも運河沿いに遊歩道が設けられているわけではありません(写真下)。


市立博物館の近くから運河沿いを歩く遊歩道。

駐車量も多く、水辺の空間をレクリエーションの場としてうまく活用しているかというと、微妙でしょうか。


・そろわない建築境界線、路地空間の面白さ

ネルトリンゲンで特徴的だと感じたのは、そろわない建築境界線と、それによってできる不整形の路地空間です。
理由はわかりませんがネルトリンゲンの建築境界線はそろわないものが多いです。マルクト広場に周辺の建物は特にそう思いました(写真下)。

幅員の広い通りだと少しばかりの建築同士のずれは気になりませんが、小さな建物が並ぶ細い路地でそれが起こると、広場でも道でもないような不思議な空間を作ります。

その感覚を体感できるのが、ポストガッセ、ジンデルガッセ、ローターンエンガッセ。ここは歩行者専用道路ではありませんが交通量も少なく、あまり車にストレスを感じることなく散策することができました。


メルヘンな建物が加わると鬼に金棒彡

ショップやレストランといった訪問者の目的地となるような機能があればより有効にこの場所が活用されるのではないかと感じました彡


今回は3時間ほどしか滞在することができず、街の歴史を展示する城壁博物館や私立博物館、塁堡跡地に作られた劇場等にはいくことができませんでした。改めてトライしてみたいと思います彡

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