東部港湾地区再開発について別途まとめました。
2012年6月22日金曜日
オランダ・アムステルダムについてのメモ 都市のデザイン編 その1
1. 運河沿いに形成される水辺の景観
アムステルダムの中心市街地には網の目のように運河が巡る。街の中には水辺の景観が多い。
日本では水辺からとにかく人を遠ざけようとする場合が多いが、ヨーロッパの街は積極的に水辺に対して街路、広場を開き、親水空間を設けている場合が多い。
水上バスやボートハウスが行き交い、水辺に人々の活動が溢れる。
水上バスの路線図。
レストランが水辺に対して開かれている。
アムステルダムの中心市街地には網の目のように運河が巡る。街の中には水辺の景観が多い。
日本では水辺からとにかく人を遠ざけようとする場合が多いが、ヨーロッパの街は積極的に水辺に対して街路、広場を開き、親水空間を設けている場合が多い。
水上バスやボートハウスが行き交い、水辺に人々の活動が溢れる。
水上バスの路線図。
レストランが水辺に対して開かれている。
橋の景観。
水辺空間の危険性は無視できないし、安全性は確保すべき。
しかし生活の質に大きく貢献する水辺空間の豊かさも評価すべきだなぁと感じた。
オランダ・アムステルダムについてのメモ 都市のデザイン編 その2
2. 自転車道の整備
アムステルダム市では自転車で移動しやすい街づくりに積極的に取り組んでおり、自転車専用道路の整備、自転車交通マナーの周知が行われている。
同市は自転車利用のメリットについて、
・中心市街地における交通・駐車スペースの削減
・排気ガス、騒音の削減
・健康への好影響
等を挙げている。
自転車政策の目的として以下の6つを掲げている。
・Increasing the accessibility of Companies and facilities
(職場への自転車によるアクセシビリティの強化)
仕事に際して生じる移動を自転車で賄えるようにすること。
仕事に際して生じている車交通を自転車交通、または自転車と公共交通を組み合わせた移動へ置き換えることも期待できる。
・Improvement in the quality of living environment
(日常生活に関わる自転車環境の改善)
日常生活に関わる自転車環境の整備は住民の要求に応えるものであるし、
日常生活で生じる短距離の車移動を自転車交通へ置き換える効果も期待できる。
・Increasing social safety and traffic safety
(安全・安心な街づくり)
交通事故を減らす。
また車を減らすことで街の安全なイメージ形成も期待できる。
・Improvement of public health
(市民の健康状態の底上げ)
規則正しい運動になる。
車交通が自転車交通へ移行していくことで空気環境の改善も期待できる。
・Increase development opportunities
(自律的成長の促進)
自動車を持たない人々が様々なアクティビティに参加する機会を助ける。
子供たちの自由な移動を助け、自立を促すことも期待できる。
・Reducing the number of bicycle thefts
(盗難防止)
(主に都心部の交通量の削減、都市内の安全性の確保、健康増進、車を持たない人のアクセシビリティ確保などがあげられていた。)
実際の自転車環境
実際にアムステルダムの自転車環境を見てみる。
特徴的に感じたのは、運河沿いの自転車専用道路、自転車・歩行者専用道路の二つ。
これまで訪問した街では、運河沿いの空間は遊歩道として整備されていることが多かったが、アムステルダムでは自転車道が歩行車道にとって代わる。
自転車交通への高い意識が表れているのかもしれない。
車交通が少なく、本来歩きやすいはずの通りが、自転車交通によって歩きにくくなっている場所も見られた。
駐輪場も多いが運河沿いや歩道の脇に無造作に停められているものも多い。
・参考資料
Cycling in the Netherlands 2009
http://www.fietsberaad.nl/library/repository/bestanden/CyclingintheNetherlands2009.pdf
オランダ・アムステルダムについてのメモ 都市のデザイン編 その3
アムステルダム市では自転車で移動しやすい街づくりに積極的に取り組んでおり、自転車専用道路の整備、自転車交通マナーの周知が行われている。
同市は自転車利用のメリットについて、
・中心市街地における交通・駐車スペースの削減
・排気ガス、騒音の削減
・健康への好影響
等を挙げている。
自転車政策の目的として以下の6つを掲げている。
・Increasing the accessibility of Companies and facilities
(職場への自転車によるアクセシビリティの強化)
仕事に際して生じる移動を自転車で賄えるようにすること。
仕事に際して生じている車交通を自転車交通、または自転車と公共交通を組み合わせた移動へ置き換えることも期待できる。
・Improvement in the quality of living environment
(日常生活に関わる自転車環境の改善)
日常生活に関わる自転車環境の整備は住民の要求に応えるものであるし、
日常生活で生じる短距離の車移動を自転車交通へ置き換える効果も期待できる。
・Increasing social safety and traffic safety
(安全・安心な街づくり)
交通事故を減らす。
また車を減らすことで街の安全なイメージ形成も期待できる。
・Improvement of public health
(市民の健康状態の底上げ)
規則正しい運動になる。
車交通が自転車交通へ移行していくことで空気環境の改善も期待できる。
・Increase development opportunities
(自律的成長の促進)
自動車を持たない人々が様々なアクティビティに参加する機会を助ける。
子供たちの自由な移動を助け、自立を促すことも期待できる。
・Reducing the number of bicycle thefts
(盗難防止)
(主に都心部の交通量の削減、都市内の安全性の確保、健康増進、車を持たない人のアクセシビリティ確保などがあげられていた。)
実際の自転車環境
実際にアムステルダムの自転車環境を見てみる。
特徴的に感じたのは、運河沿いの自転車専用道路、自転車・歩行者専用道路の二つ。
これまで訪問した街では、運河沿いの空間は遊歩道として整備されていることが多かったが、アムステルダムでは自転車道が歩行車道にとって代わる。
自転車交通への高い意識が表れているのかもしれない。
車交通が少なく、本来歩きやすいはずの通りが、自転車交通によって歩きにくくなっている場所も見られた。
駐輪場も多いが運河沿いや歩道の脇に無造作に停められているものも多い。
・参考資料
Cycling in the Netherlands 2009
http://www.fietsberaad.nl/library/repository/bestanden/CyclingintheNetherlands2009.pdf
オランダ・アムステルダムについてのメモ 都市のデザイン編 その3
オランダ・アムステルダムについてのメモ 都市のデザイン編 その3
3. 飾り窓通り
サブカルチャーのポテンシャル
アウデゼイズ・アフテルブルグヴァル( Oudezijds Achterburgwal )通りのホステルを予約していたので、電車で中央駅に着くなり、この通りを目指して歩いた。
アウデゼイズ・アフテルブルグヴァル( Oudezijds Achterburgwal )通りのホステルを予約していたので、電車で中央駅に着くなり、この通りを目指して歩いた。
目的の通りにたどり着き、看板や建物の表札を見ながら宿を探していると、通りに面した窓の奥に下着姿の女性が立っていることに気付く。
あわてて目をそらすも、隣の窓にも下着の女性。
あとで知ったがこの通りは飾り窓が並ぶ地区として有名らしい。ストリップ劇場、sex
shop も多い。
宿をとっていたこともあり(健全なホステルです)、アムステルダムに滞在中はこの通りを歩くことが多かった。
オランダでは売春が合法なこともあり、特段あぶない雰囲気はなかったし、実際に危険な目にも合っていない。
観光地としても有名らしく、アジア諸国からのツアー客が添乗員の話を熱心に聴きながら、ストリップクラブに並んでいる光景を何度か見た。
風俗店が集まる地区はこれまでもいくつか見てきたが、街の中心に堂々と店を構え、観光地としても認知され、人を集めている点が興味深かった。
オランダ・アムステルダムについてのメモ 都市のデザイン編 その4
4. ベルマミーア地区再生計画
駅周辺の地図
開発面積:750ha
総住戸数:14,000戸
計画人口:6万人
住戸平均床面積:100~120㎡
・概要
1960年代から70年代にかけて建設された大規模集合住宅地。
1933年CIAM憲章の機能主義とル・コルビュジエのデザインコンセプトに基づく未来都市が建設された。
一辺が80mの正六角形で構成される“蜂の巣型”の高層集合住宅が特徴。
当時ターゲットとしていた中間層ファミリー世帯の住宅嗜好や生活様式とのミスマッチ、
1975年のオランダ領スリナムの独立に伴う民族グループの流入、
失業者・低所得者層といったマージナル層の増加により、地域の社会的・経済的条件は悪化の一途をたどり、人種間の緊張も高まった。
管理の行き届かない共同スペースの多さや単調で死角の多いデザイン的欠陥と相まって、ヴァンダリズムによる街並みの荒廃、犯罪や麻薬・アルコール中毒の蔓延が深刻化した。
1982年にはアムステルダム市、同市南東区、パトリモニアム住宅協会からなる運営協議会(Administrative Consultative 通称“3者AC”)が設立され、同議会によって「高層住宅問題プロジェクトチーム」が結成された。
同プロジェクトチームにより様々な対策が試みられたが、ハードに偏った対策であったため目立った効果は認められなかった。
1986年には住宅協会(Housing Association
)によるワークグループ“future of Bijlmermeer”が高層住宅の取り壊しを含む5つのシナリオを提示。
1990年には同グループは“The Bijlmer
keeps changing”において高層棟の25%撤去、25%の売却、50%の改修を含む抜本的再生案を提案、
同年市が提案を承認し、3者ACからなる総合運営委員会(Administrative
steering Committee )を設立した。
・団地再生へのアプローチ
再生への取り組みとして、ハード、ソフト両面からの総合的なアプローチが行われた。
総合的アプローチの柱は主に、
①空間的再生
②社会・経済的再生
③管理面の再生
からなる。参考資料を基に以下にその具体的内容をまとめた。
①空間的再生
・住戸・住棟の改善及び14か所の駐車場等の撤去・多用途への立て替え。
・高層道路下の廃れたショッピングセンターの撤去
・高架道路の一部平面道路化
・ベルマミーア大公園の再修景
・大規模スポーツ施設“ArenA”の建設
・オランダ鉄道・メトロ両駅の全面改装
Bijlmermeer ArenA station 外観と内観、及び“ArenA”外観
高層の住宅に代わる低層の街並み
保存された高層棟、地区を貫くメトロの高架
②社会・経済的再生
住宅地再生は教育、雇用、文化、スポーツ活動を通じた住民のエンパワーメントが必須条件と考えられた。そのため、
・長期に安定した雇用の確保
・雇用に役立つ職業訓練の実施
・教育の充実と就労保障
に関わる取り組みが行われた。具体的には、
地域職業センター、女性トレーニングセンター、文化教育センター、芸術アカデミー、スポーツ施設などが建設された。
その他、撤去した駐車場跡地を活用して、商業ビルや小工場が建設されている。
学生寮も建設されていた。
③管理面の再生
管理組織の面で特筆すべきことは、それまでに本団地に14もあった住宅協会が1983年に新アムステルダム住宅協会へと1つに統合され、続いてこの住宅協会がパトリモニアム住宅協会に統合されたこと。
これにより高層中タックと関連施設の管理の一本化が可能となったばかりではなく、その再生事業がアムステルダム全体を統括するパトリモニアム住宅協会の管理事業となった。
住宅政策の地方分権により、地方自治体とパトリモニアム住宅協会の権限が強化され、国・市の干渉なく思い切った施策を講じることができた。
加えて、住みやすさの改善のため、
・犯罪の撲滅と安全の確保
・美観と清潔さの確保、ヴァンダリズムの撲滅
・各種施設を用いた教育・訓練によるエンパワーメント
等のため、管理人補助、リフトの監視員、団地見回り人を雇用し地域の管理に努めた。
・参考文献
角橋徹也, 塩崎賢明 著 「アムステルダム・ベルマミーア高層住宅団地の再生事業に関する研究 ~統合的アプローチによる持続可能なコミュニティの建設~」
・ベルマミーア新都心の建設
Bijlmermeer ArenA stationの周りには、コンサートホールHeineken Music Hall, サッカースタジアム、14のスクリーンを有するPathe ArenA, ショッピングモール、オフィスビルが連なる。
斬新なデザインの集客施設、高層のオフィスビル、特徴的なショッピングモール
新都心地区の歩行者専用道路、それに面するユニークな造形のオフィス建築
駅周辺の地図
新都市建設はベルマミーアの住宅需要の底上げ、同地区の雇用創出の場として期待されている。
しかしベルマミーアの求職者たちは教育、技能、言語等のハンディキャップを背負っているため、新都心アリーナで急増するオフィス、IT求人とはミスマッチを起こすという問題も生じているという。
オランダ・アムステルダムについてのメモ 都市のデザイン編 その5
5. 中心市街地の歩行空間のデザイン
・Dam広場から派生する歩行者空間
ダム広場から南北に広がるようにKalver通りやNieuwendijk通りといった歩行者専用道路が延びる。
Kalver通りやNieuwendijk通りから派生するように細い路地が延びており、歩行空間の多様さを高めていた。
他の主要都市で見られる大規模な歩行者天国と比べて街路幅は狭い。
ライツェ通りのトランジットモール。通りが狭いので基本的に単線。車両がすれ違うための待避線が設けられている。
オランダ・アムステルダムについてのメモ 都市のデザイン編 その6
・Dam広場から派生する歩行者空間
ダム広場から南北に広がるようにKalver通りやNieuwendijk通りといった歩行者専用道路が延びる。
Kalver通りやNieuwendijk通りから派生するように細い路地が延びており、歩行空間の多様さを高めていた。
他の主要都市で見られる大規模な歩行者天国と比べて街路幅は狭い。
・博物館広場と中心市街地を結ぶ歩行者空間
中心市街地とその外延部に位置する博物館広場、Vondelparkを結ぶようにトランジットモール、及びショップ・飲食店が並ぶとおりが設けられている。
下の画像は道路に設置してあった案内図だが、これを見ると、中心市街地、博物館、公園といった主要な場所を繋ぐ線上を積極的に活用していることがわかる。
ライツェ通りのトランジットモール。通りが狭いので基本的に単線。車両がすれ違うための待避線が設けられている。
オランダ・アムステルダムについてのメモ 都市のデザイン編 その6
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