ミラノプロジェクト(リサーチ篇)のピンナップが行われました。
今回のピンナップで要求されたのは、グループに割り振られた建築物の立面図(1/50)、グラウンドフロアプラン(1/500)、建物の外観写真4枚、そして1/50模型の4点です。
提出物からもわかるとおり、今回のリサーチプロジェクトは建物のファサードにフォーカスしており、建築家がどのような意図をもってファサードの設計を行ったか、ファサードがどのように外部に対して働きかけているかを議論するためのものでした。
それぞれが作ってきた模型はこんな感じ彡
比較的大きな集合住宅やオフィスビルも含まれていたため、作成された模型はどれも大きい彡
1/50で詳細まで表現するように指定されていたため、レーザーカッターを駆使し、テクステャの表現からバルコニーの手すりに至るまで細かい模型が並んでいました。
この模型を見ながら先生の講評が始まります(模型を横から眺める先生)。
写真や図面、模型を使いながら4分くらい話、あとはディスカッション形式で理解を深めるという形式でした。
プレゼンターを囲むようにして講評が行われます。
私のグループが作ったのはLuigi Caccia Dominioniという建築家がデザインした集合住宅Piazza Carbonari。
比較的小さいほうでしたが、細かいレンガのテクステャの表現、不規則なマド、上階のバルコニーの表現などなかなか苦労ポイントが多い建物だったと思います。
これも様々な意見をもらいましたが興味深かったのが、1/500のグラウンドフロアプランについて。
このスケールでは建物の外形も7㎝四方に収まるようなサイズであり、周辺を含めてもA3で出力すれば十分だと思っていましたが先生から次回これをA1で出力するように指定されました。
彼らは1/50の模型、立面図から建物のファサードの意図を考察しながら、1/500の広域の配置図を基にその場所のコンテクト(周辺の建物との関係、街路との関係、都市構造的な考察)を読み、両者を関係づけたいのだといっていました。
設計時のスケールの捉え方がこんなところに出てくるんだろうなと考えていたら、同じグループのフェデリコが、
「だってダニエラ(アシスタントのお姉さん)がA3でいいっていったから!」と反論。
彼の性格なのか、それともイタリア人の気質なのかはわからないけれど、そんなこと言ったってしょうがないじゃないかと心の中の稲荷君が突っ込みを入れつつ、無事に発表を終えた一日でした彡
2011年11月17日木曜日
マシーンの充実度が素晴らしい TUMの製図室彡
今回はTUMの製図室について。
TUMはいくつかのキャンパスを持っていますが建築学科はその中でも中心部に近い、通称メインキャンパスを本拠地にしています。地下鉄の駅でいうとTheresienstraßeが最寄駅です。
製図室・模型室は建物の地下に広がっており、主にコンピュータールーム、模型室(専門の機械が置かれた小部屋が付属)からなります。
これがコンピュータールームの写真彡
写真が微妙ですが右側に同様のスペースがもう一つくっついています。
驚いたのがプロッターの数とクウォリティー。
この部屋だけで6台のプロッターと2代の複合機があります。
料金はかかりますがプリントショップよりも割安です。
いくつかのプロッターはA0対応です彡(上)
次は模型室彡
地下ですが天井のガラス窓により明るいです。
また、大型の機械も多いことから模型室専属のおじさんもおり、比較的きれいな環境が保たれています。
素晴らしいのが、レーザーカッターの設備。
4台のレーザーカッターが置かれており、16分2€で使用することができます。
ほとんどの学生がこの機材を利用しており、複雑な形状や手間のかかるテクステャの表現もさらさらとこなしていました。
レーザーカッターがあることで(少なくとも私の受講しているプロジェクトでは)提出物に要求されるレベルが上がっているように感じました。だって細かいディティールまで簡単に作れてしまうんだもの。。
また、木工模型を作る設備も充実。大型の切断機、研磨機があり、学生は無料で自由に使うことができます(写真下)。
なのでこちらの学生はボリューム模型まで木で作ってる人もいます。
これは1/100くらいのボリューム模型。
スケールはわかりませんがより広域なものも。
ヨーロッパの学生はスチノリを使わない、カッターは60度の大型のものを使う、という噂を聞いていましたが本当でした。確かに、レーザーカッターでカットした部材や木のボリューム模型にはそれが適しているのだと納得彡
このような機材を利用して作成した私の模型がこれ彡
簡単に言うとミラノに実在する建築を詳細に1/50模型で再現するというもの彡
作成に要した時間は5日(10H/day)くらい。
はたしてその講評は以下に。。
詳細はミラノ・リサーチプロジェクトの講評会にて彡
TUMはいくつかのキャンパスを持っていますが建築学科はその中でも中心部に近い、通称メインキャンパスを本拠地にしています。地下鉄の駅でいうとTheresienstraßeが最寄駅です。
製図室・模型室は建物の地下に広がっており、主にコンピュータールーム、模型室(専門の機械が置かれた小部屋が付属)からなります。
これがコンピュータールームの写真彡
写真が微妙ですが右側に同様のスペースがもう一つくっついています。
驚いたのがプロッターの数とクウォリティー。
この部屋だけで6台のプロッターと2代の複合機があります。
料金はかかりますがプリントショップよりも割安です。
いくつかのプロッターはA0対応です彡(上)
次は模型室彡
地下ですが天井のガラス窓により明るいです。
また、大型の機械も多いことから模型室専属のおじさんもおり、比較的きれいな環境が保たれています。
素晴らしいのが、レーザーカッターの設備。
4台のレーザーカッターが置かれており、16分2€で使用することができます。
ほとんどの学生がこの機材を利用しており、複雑な形状や手間のかかるテクステャの表現もさらさらとこなしていました。
レーザーカッターがあることで(少なくとも私の受講しているプロジェクトでは)提出物に要求されるレベルが上がっているように感じました。だって細かいディティールまで簡単に作れてしまうんだもの。。
また、木工模型を作る設備も充実。大型の切断機、研磨機があり、学生は無料で自由に使うことができます(写真下)。
なのでこちらの学生はボリューム模型まで木で作ってる人もいます。
これは1/100くらいのボリューム模型。
スケールはわかりませんがより広域なものも。
ヨーロッパの学生はスチノリを使わない、カッターは60度の大型のものを使う、という噂を聞いていましたが本当でした。確かに、レーザーカッターでカットした部材や木のボリューム模型にはそれが適しているのだと納得彡
このような機材を利用して作成した私の模型がこれ彡
簡単に言うとミラノに実在する建築を詳細に1/50模型で再現するというもの彡
作成に要した時間は5日(10H/day)くらい。
はたしてその講評は以下に。。
詳細はミラノ・リサーチプロジェクトの講評会にて彡
2011年11月12日土曜日
イタリア・ミラノについてのメモ 都市の構造編
先日訪問したイタリア・ミラノについて少し書いてみたいと思います。
街歩きの時間も少なくなってしまいましたが、見てきた範囲でメモをさせていただきます。
(調査し次第追記予定)
・都市の構造
・緑地
ミラノの緑地は下図のように広がっています。
南側は北側に比べて少し標高が低く、水気の多い土壌になっており、昔は農業が盛んな土地であったとのこと。北側には様々な産業が立地しているようです。
・水系
ミラノの地図を見たときに不思議に感じたのが、大きな河川がないこと。
これまで見てきた大都市は大抵、大きな河川にそって発展していったという思い込みがありましたがミラノは少し違うようです。
いくつかの論文を見てみると、水系のことにも言及しているものがありました(後日追記)。
・街路網
さてさて、一区にフォーカスしてみた現在の街路網はこんな感じ。
昔城壁に囲まれていた一区は複雑な街路が伸び、その周辺は整形の街路網が広がっています。
しかし、話が複雑で、ローマ帝国の都市として発展した際は、より整形のグリッド街路網を有していたとのこと(後日追記)。度重なる戦争によって昔の構造がすっかり変わってしまったということでしょうか、なかなか難しいところです。
・地下鉄
ミラノは他の都市と比べて地下鉄のネットワークが弱いように感じました。
ラインの数は3つ。それぞれ中心部で交差するように配置されています。
ちなみに、車交通はとても多く、所狭しと車が駐車されています。
雑談の雑談 グループワーク編
模型材料店でのできごと。。。
イタリア人・フェデリコ(以下F):どの筆を買おうか?
スペイン人・ファン(以下J):この筆が安くていいんじゃない?
F:でもこれ見て、嗚呼、すごくいい筆だわ。でも7€もする。あなたはどちらがいいと思う?
日本人・私(以下W):この3本セットがお得じゃないかな。
F:でも、私の筆がすごくいいと思う。。。でも7€もするし。。
J:3本セットでいいんじゃない?安いし3つ入ってる。
F:でも安い筆だといい仕上がりにならないでしょう!私はこれがいいと思う。店員さんに聞いてみる!
(10分後)
F:やっぱりこの筆のほうがいい。でも高いわ。。この小さいほうなら安くて買えそう!
W:小さすぎて使いにくいよ。
F:3本セットは品質が落ちるでしょう!
W:じゃあこの3本セットをかって、君が自腹でハイクオリティーな筆を買えばいいじゃん。
F:わかったわ、あなたたちが品質の劣る筆でなぞった表面を私のいい筆で一つずつ直すことになるわね。
W:モウ君ガ好キナホウニシテクレ。
J:どっちでもいいじゃん。安いほうにしたら?
F:嗚呼、美しい。。
(5分後)…
M:そもそも絵具よりスプレーのほうが簡単でやすいんじゃない?
F:スプレーって仕上がりはどうなの?店員さんに聞かなくっちゃ!!
J:・・・
以上、課題の模型に塗る塗料を買いに行った時の出来事でした。
先日友人に君は学校に毎日行って遅くまで作業をしていて充実してるねと言われましたが、半分以上はこのような非生産的な議論を繰り返しています彡コーヒーブレイクは1時間です。
僕の日常の一コマでした。ではでは彡
2011年11月5日土曜日
イタリア・ミラノについてのメモ その0
本題に入る前にご挨拶から彡
お陰様で本ブログもページビュー500回を超えることができました!
いつもご愛読いただいている方、初めて見ていただいた方、本当にありがとうございました。
皆様のご指摘やご意見等も活動に活かしていきたいと考えていますので、
お気軽にコメントいただけると幸いです。
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Thank you for your visiting !
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If you have any idea or request to this blog, please feel free to comment(^^)
では本題彡
今回訪れたのはイタリア・ミラノの中心市街地彡
バスでの国境越え47個の建物見学、敷地の調査を4日間の強行日程で行いました彡
隙間のないスケジュールの上にマイナーな近代建築ばかり見ていたので中心市街地の街歩きは不十分。。少し不満が残る部分です。
さてさて、課題のキーワードは“ファサード”と“アーバンデザイン”。
いつもの通りとりあえず写真をアップします。詳細は後日彡
朝7:30に集合後、バスにてイタリアに向かいます。スイスの自然を楽しみながら7時間の移動。。
到着後は映画“I AM LOVE”の撮影にも使われた Villa Necchi Campiglioを訪問(上)。その後夕食を終えて一日目の日程を消化。
2日目~3日目は47個の建物を見学。ひたすらファサードの写真を撮り続ける。。
なぜこの素材を使ったのか、なぜこのような形なのか、建築家はどのような考えを持っていたのか、議論をしながら一つ一つ見ていきます。
・・・・・しかし、中心市街地の街歩きがしたい私は途中でツアーを抜け出してしまいました彡
まずはミラノの中心、ドゥオーモ(Duomo)とその広場へ。
ドゥオーモ広場に面するガッレリア(下)彡
スフォルツァ城とドゥオーモ広場の間にある歩行者専用道路(ダンテ通り 下)彡
4日目は課題の敷地見学へ彡運河に面する敷地です。
プライベートなスペースですが、運河沿いの建物の中には素適な空間が点在してました。
都市の構造編、都市の変遷編、都市のデザイン編、プロジェクトの課題編はまとまり次第アップします。
ではでは(^^)
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