2012年1月30日月曜日

旅行×都市構造×色遊び

スタジオが終わった後に行く予定の都市について。

コツコツ資料を集めてます。
戯れに色遊びをしていたらいつもよりも街路の形態や水系、緑地の見え方が違って面白いかも。
普段あまり使わない色のテストも兼ねて。

・Berlin




・Roma






Heidelberg Mannheim




Düsseldorf






・Dortmund





Hamburg




フランクフルト、ケルン、エッセン、ブレーメン等にも行く予定です。

TUM(ミュンヘン工科大)のアーバンデザインスタジオ 対立の共存彡


年始は1月の11日にピンナップがあるということで、5日には作業を開始しました。
前回の講評会を受けて、ファサードのデザインを変更し、1/50, 1/200の模型を作製して発表を行いました。


今回は前回よりもだいぶ作りこんだ模型を用意したので講評会のコメントも好意的なものが多くあった印象。


 


主な指摘としては、開口部の形・配置が単純すぎること、バルコニーのデザインがほかの要素と調和していないこと、南側、北側のファサードの再検討、等々。


 その後アシスタントの指導が始まるのですが、「I could imagine…」と言いながらぐいぐいと平面図、立面図にペンを入れていきます。
グループメンバー化したアシスタントはどんどんと自分の意見を書き込んできますが正直干渉しすぎなのではないかと不満に思っていました。

一方でグループメンバーJの母校(スペイン)の設計課題では、教授、アシスタントから図面に対する修正は行わなければならないものとしてあるようです。

この点で共同作業が停滞します。
アシスタントが描いた修正が自分たちのコンセプトと合わないので、彼のアイディアを全て採用する必要はないという意見と、とりあえず彼が言った通り修正しようという意見がぶつかります。

この議論が2人の間で続き、再びアシスタントが加わり、アシスタントは彼の意見を取り入れた修正案を指示すると流れ、築かれるスタディタワー。

面白い見た目にはなったけど、意図したものとは少し違うかもと思いつつもプレファイナルのプレゼンを迎えます。


プレファイナルでは紙だけではなく、図面やパースをスクリーンで移しながら発表を行いました。
 現地でとった写真を使ってパースも作成。


僕たちの建物に対する講師陣の指摘は主に建物の構法と素材について。コンクリートの素材を使うにしても、荒々しく力強い印象にするのか、きれいに仕上げ落ち着いた表情を作るのか、等々。最後に一言、 
「日本人の君はシンプルな表現を好み、スペイン人の君はエネルギッシュな表現を好む、この対比・対立が建物にも表れていて私たちには面白い。」とニヤリ。

何か褒められたような気になっていたが、実はこの言葉に、この提案の純度の無さを指摘されていたように思う。

絞り切れていないコンセプト、コメントになびき変わる立面、対立する表現。。
何はともあれ、最終提出まで2週間を切った。



2012年1月15日日曜日

ドイツ・フライブルクについてのメモ 都市のデザイン編 その0

フライブルク・都市の構造編に引き続き、都市のデザインについてメモしてみました。
(雨天ということもあり写真の品質はいまいちですがあしからず)







いつもご愛読いただいている方、初めて見ていただいた方、本当にありがとうございます。
皆様のご指摘やご意見等も活動に活かしていきたいと考えていますので、
お気軽にコメントいただけると幸いです。


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ドイツ・フライブルクについてのメモ 都市のデザイン編 その1

フライブルク 都市のデザインの第1回は、中心市街地を面的にカバーする歩行者専用道路について。

フライブルクの旧市街地は第二次大戦中空襲により大きな被害を受けましたが、古い町並みは可能な限り再建されたそうです。(写真下)

この旧市街地の範囲のほとんどが歩行者専用道路に設定されています。






















図のオレンジ色の部分が歩行者専用道路。
中心市街地には車を入れないという明確なコンセプトが透けて見える。


ピンク色の線はトラムによるトランジットモールで、中心市街地と中央駅を繋ぐ役割も果たしています。

街のメインストリートは街を南北に貫くカイザー・ヨーゼフ通りです。




歩行者空間を楽しく演出するために、中心市街地の通りは自然石で舗装されているとのこと。
通りによって石の色、形も様々なものが利用されており面白く感じました(少し可愛過ぎる気もしますが^^)。


場所によってはモザイク画のようなものもありました。





自転車利用者の為の駐輪場も整備されています。

場所によっては古い街並みの中に新しいデザインが共存していました。

車道と歩行者専用道路の境界はテクスチャにより分けられていました。

次は旧市街地を貫くトラムのトランジットモールについてです。

ドイツ・フライブルクについてのメモ 都市のデザイン編 その2

フライブルク 都市のデザインの第2回は、 旧市街地を貫くトラムのトランジットモールについて。

市街地西側に位置する中央駅から延びるベルトルド通り-ザルツ通り、
街のメインストリート カイザーヨゼフ通りがトランジットモールとして整備されています。












1. ベルトルド通り-ザルツ通りのトランジットモール
ベルトルド通りのトランジットモール沿いには市立劇場、フライブルク大学など重要な施設が並んでいます。

フライブルク中央駅と立体的に交差します。
トラムの乗り場・市街地に繋がる歩道と駅とは階段で繋がれています(写真下)。
 階段を上って旧市街地の方角を眺める。
 立体交差する部分はかなり重厚感がある作りで、”橋”という印象ではありません。
 軌道と歩道では同様のテクスチャが使われています。街中では自然石を用いた舗装を行うというコンセプトが貫かれている。
ベルベルト通りの路線は途中から緩くカーブしています。個人的な感想ですが、直線のものと比べて緩くカーブしたトランジットモールはより親密な印象を受けます。
道の先からヒョッコリトラムが現れる面白さがあるのかもしれません。
メインストリートと交錯する部分。写真のトラムは停車中のもの。人と乗り物の近さはトランジットモールならでは。
ザルツ通りの狭い区間。少し歩道が窮屈。
 ザルツ通りの東端には昔の城門がありますが、トラムはそこを器用にとおりぬけていきます。



2.カイザー通りのトランジットモール


カイザー通りのトランジットモールは幅員が広く、人の流れも多い点がこれまで見たものと異なる点。


 カイザー通りの南端も城門の下をくぐる。何とも不思議な光景彡


次は 街中を流れる小さな水路(ベッヒレ) についてです。


ドイツ・フライブルクについてのメモ 都市のデザイン編 その3

フライブルク 都市のデザインの第3回は、 街中を流れる小さな水路(ベッヒレ)について。



街中には上の写真のような水路が数多くあります。下図はベッヒレの場所をマッピングしたもの。
旧市街地内部に広く分布しています。
 市HPを元に作成 http://www.freiburg.de/servlet/PB/show/1186660/6Bchle%20Freiburg%20im%20Breisgau.pdf
資料によると、ベッヒレは元々生活用水として利用されていたとのこと。他にも火災の際は消火活動の助けになったと記載されていました。

この可愛らしい水路は第二次大戦中に増加する交通を支えるために閉鎖されてしまいましたが、今日では復原され、涼しげな景観を形成しています。子どもたちにはとくに人気が高いとか。

水路、端部のデザインにもバリエーションがあります。






小さな路地に沿ってひっそりあるものも。

 トランジットモールとベッヒレの合わせ技。夏の晴れた日を想像すると涼しげ。

参考資料
フライブルク市HP


ここからは雑談彡

このような街中の小さな水路は、あるバックグラウンドを持つ日本の市街地にも応用できるのではと思いました。

あるバックグラウンドを持つ場所とは、
農業を生業とする小さな集落がスプロールする市街地に取り込まれ、現在では昔の建物や水田はないものの、複雑で細いあぜ道の形態がそのまま道として残っている場所。

修士のリサーチプロジェクト対象地(福岡市 美野島)がちょうどこの条件を満たすところでした。

現地調査をしている時分、生き字引の老人に昔の水田の様子、あぜ道の脇に流れる水路で遊んだ記憶を話していただいたことを覚えています。

あぜ道をバックボーンにもつ細く(時には曲がりくねった)路地の構造は知識や記憶がなければただ不効率で使いにくいモノに成り下がってしまいますが、
水田が広がっていた場所の記憶を水路とあぜ道の形態によって現在に繋ぐ提案は、路地的な歩行空間と相まって魅力的な場所になるかなと勝手に想像を膨らましていました。