下の図はザルツブルグの地形を3Dで見てみたもの。
周囲を山に囲まれた地形であり、市街地の中央には河川が流れていることがわかります。
古地図を見てみると昔は城壁をもった都市だったことがわかります。
急峻な山は壁とともに城壁として機能していたのかもしれません。
案内をしてくれたガイドさんによると、塩の販売で財を成した地域であり、司教たちが町中に多くの教会を建設していったとのこと彡
実際に歩いてみると実際に教会の数が多く、ルネサンスやバロック、ロマネスクといった様々な様式が混在していた。
街の成り立ちには様々なお話があるようですが、ここでは街の街路網や広場について感じたことを書くことにします。
まず、過去から現在へかけての街の変化をみるために古地図と現在の地図を重ねてみました。
下の図は先ほどの古地図から昔の城壁の位置をラフに描いてみたもの。
地形にそって城壁が作られていたことがわかります。
また、城壁の外の空き地を利用して駅を作ったと思われ、到着したときに感じた、”歴史の街っぽくない雰囲気”の理由がわかった気がしました。
教会が街のあちこちにあるのも変わっておらず、昔の街路網や広場が残っていることがわかります。
旧市街地の街路網は整形ではなく、車にとっては都合の悪い街かもしれませんが、歩行者専用道路や中庭への引き込み、教会に面した広場など、歩きやすい街づくりがされていると感じました。
ザルツブルグで印象的だったのが、様々な個性を持った教会前広場と、精巧な鉄細工による看板が並ぶ歩行者専用ストリートです。
先で述べたとおり、街の中には様々な様式による教会がありますが、それに面する広場は形、広さ、視線の抜け、周囲の建物のデザインなどにより個性的な空間をそれぞれ有していました。
また、広場同士が歩行空間によって連結されていることによって、疲れることなく街歩きができたことが印象的でした。
スカモッチ教会の広場はとても大きい。建物により分節されているが周囲の小さな広場と繋がれている。
AlterMarkt広場は長方形で、オープンカフェが細長く広がっている。
鉄看板で彩られた歩行者専用道路は、モーツァルト生家や広場と組み合わされて人の流れが絶えない通りになっていました。
鉄細工の看板と歩行者道路。
鉄細工によるマクドナルドの看板。
また、歩行空間沿いに、小さなたまり場のような空間のデザインが面白く感じました。
中庭のレストラン
中庭のショップ。
今回は、街路網や広場の配置、そのデザインについて気づいた点を書きました。
次は人の流れる向きを左右する主要な施設の配置について彡
多くの人の目的地となる教会やお城の位置と、歩行者専用道路がどのような関係になっているのか考えてみたいと思います彡
参考資料
『中世都市 ホースト・ドラクロワ(1983) 井上書院』、
『城郭に囲まれた都市 ホースト・ドラクロワ(1983)井上書院』
ザルツブルグ観光協会 http://www.salzburg.info/jp/
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